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2006年5月 8日 (月)

Are you Japanese?

まる一日頭を洗わないと猛烈に頭皮が痒くなってくるのですが、ときどき製薬会社が「24時間たつと自然に頭が痒くなるような成分」をシャンプーに配合してるんじゃないかと訝りたくなる。どこのシャンプーを使っても症状は大体似たようなものなので、もともと人間の身体はそういう風にできてると考えられないことはないけど、もしかしたら大手メーカー各社が、暗黙のうちに結託してるのかも?と、背後にうごめく企業の闇を想像したりして苦笑い。もちろん馬鹿げた妄想だとは思いつつも。

シャンプーに潜む陰謀説はともかくとして、女性のスキンケアもしかり、もっというとシャワーだってそう。毎日それをすることが当たり前になってしまっている行為について、「毎日それをおこなう」という自明の事実について、その必然性を考えることというのは、普段生活をしている限りではあまりない。

でも、考えないだけで「洗髪」という行為が発生し、それが週一回から、週二回になって、その内一日おきになって、ついには毎日することが当たり前になった瞬間があるわけで、シャワーについても同様。

フィツジェラルド「グレートギャツビー」の中で、ギャツビーの葬儀の後、ギャツビーのお父さんがみつけた若き日のギャツビーの行動予定表には「一日おきに入浴」とあるくらいだから(アメリカのことだけど)、シャワー(入浴)という行為も今のように、毎日入って当たり前だったわけではなくて、いつかどこかのタイミングで「当たり前」になったのだと思います。

さて、毎日シャワーを浴びるのが当然であるのとおなじくらい、というかそれ以上に当たり前のこととして、我々は自分たちが「日本人」だということや「日本」という国に生きていることを知っています。しかしながら、これらについても「日本」とか「日本人」という枠組みがいつかどこかで出来上がって「自明」になったのであって、生まれついたときから先天的に「日本列島に住んでるから、ボク(わたし)は日本人」なんて、知っていたわけではありません。

さて、では我々は、いつから「日本」という国に住む「日本人」になったのか?

社会学者小熊英二は、我々が普段から当たり前に甘受している途方もない自明性について、大洋に沈んだ沈没船を引き上げるトレジャーダイビングのごとく、膨大な量の文献に潜水し、継起となった重要な記述を引き上げ、その自明性がいつ、だれの、どのような意図によって生み出されたのか?ということを白日のもとにさらします。

そしてその途方もない宝探し的分析によって、我々は、我々の「当たり前」が、歴史的にみれば「ついいましがた」なんらかの(当然のごとく政治的な)意図によって生み出されていることを知ります。

もしそのニーチェからフーコーを経由した「系譜学」的な手法の取り方に疑問を持たれる方がいるとしても、それを違う方向から立証するのは、きっと難しいに違いない。それほどまでに途方もない参考文献の量。

その量ゆえの説得力(否定不可能性)。

合コンでの用例:
「シャンプーをしないと頭が痒くなるのは、製薬会社の陰謀なんじゃないかと思うんだよね。」

面白い人と思われるか、誇大妄想狂と思われるかはいちかばちかだけれども。

我々がいつから日本人なのか知りたい人はこちら。



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